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August, 19 2024

WebKitのコミッターになった

WebKitのcommitterになった。僕はAppleやIgaliaやSonyの従業員ではなく、完全に趣味である。

WebKitの開発者のステータスのポリシーは https://webkit.org/commit-and-review-policy/ を参照してほしい。Committerよりも強い権限を持つreviewerという人たちもいる。人のパッチを正式に承認したり拒否したりすることはreviewerにしか出来ない。

2024年2月からパッチを投げ始めて、6月の半ばくらいにcommitterとして推薦された。そのあとAppleの社内手続きに二ヶ月くらいかかり、8月半ばに正式にcommitterになった。

別にcommitterになることが大きな目標だったというわけではないのだけど、なんだかんだ嬉しく思う。ただ、committerに推薦されてからもう二ヶ月くらい経ってるから新鮮な嬉しさはもうあまりない。

Ruby方面から「コミッターになりました」系のブログやツイートが流れてくることがたまにあるが、JavaScript方面からはあんまりないので、まあそういうことができて良かったと思う。

一方で、自分の人生を考えたときに「こんなことやってていいのかなあ」と思う。JSCのバグを直したり勉強したりするのはたしかに楽しいのだが、自分の人生にとって得になるとはあまり思えない。しかし楽しいので別にいいのか?うーん、みたいな気持ちだ。別に苦しいとか悲しいとかではないのだが「何やってんだおれ…」みたいな気持ちはずっとある。

OSSへの貢献というのはなんとなくエライ感じがするので気持ちがバグりがちだが、自分の場合はただ気持ち良くてダラダラやっているだけなので、SNSやYouTube shortsにほとんどの時間を費やすのと抽象的には同じ構造だと思っている。別に、他人がそういうパソコンばかりの人生を送っていることを否定する気は当然ないのだが、もう少し冷静に時間の使い方を考えても良いのかもしれない。もうちょっと旅行とか行った方が良い。

余談だが、とある知人から「お前WebKitたくさんやってるけどちゃんと大学の勉強してる?」という指摘を受けた。僕はPrettierやBabelや労働のやりすぎで留年しているので、ごもっともな指摘である。

ということで、僕のことを心配してくれている知人のために現時点での筆者の余暇時間の優先順位を明らかにしておくと、大学の課題とテスト勉強 > WebKit > 卒業研究 > その他OSSというような感じになっている

そんなわけなので、筑波大学情報学群情報科学類の授業の中で最も難しい(と個人的に感じている)授業である微分積分Bの単位を取ることもできた。

筑波大学の在学年限は6年で、僕は今年度で最後なので、この調子で頑張りたい。